ごあいさつ

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愛知県泌尿器科医会 会長
服部 良平

2020年6月に開催されました第27回総会にて会員の先生方のご推挙をいただき、会長に就任することになりました。前川昭先生、千田八朗先生、吉田和彦先生、成田晴紀先生の歴代会長が築いてこられた歴史ある会を若輩の私が5代目の会長として引き継ぐことになり身が引き締まる思いです。

本会は泌尿器科診療の向上発展と保険体制への寄与をはかるために設立されたものです。愛知県4大学の先生方の協力を得ながら、最新の情報が得られる講演会と日常臨床に役立つミニレクチャーを開催しています。2020年は新型コロナウイルス感染拡大のために3月例会、6月総会が中止になりましたが、講演会を含め例会、総会は本会の重要活動の一環であるため、2020年10月例会はweb形式を併用して再開しました。今後も何らかの形式で例会、総会は継続して開催する予定です。homepageの 会員専用サイトでは過去の講演会内容を閲覧できますが、今後会員の方々に有意義に活用していただけるように動画配信も予定しています。

本会は保険体制とも強く連携しており、関連医会である日本臨床泌尿器科医会および日本泌尿器科学会保険委員は会員から診療報酬改善にむけた要望の多い事項を外保連、内保連を通じて厚労省へ申請しております。2年ごとの診療報酬改定時には、改定のポイントを会員へ周知できるように例会で報告しています。

特に最近では高額の薬剤が増加しており、保険診療の範囲内で適正に使用できるように保険審査委員からの具体的な説明を適宜行っておりますし、保険診療教育セミナーで泌尿器科に入ってこられる若手泌尿器科医に説明会も行っております。保険請求では形式的な面も多く勤務医の先生には興味が持てない部分も多いと思いますが、高額の薬剤、手術については病院経営への影響も大きく、勤務医の先生方には本会からの情報を活用していただきたいと思います。

地域の方々への健康教育活動として、市民公開講座および健康教育講座を年1回企画し泌尿器科疾患の啓発と健康教育活動をおこなっています。毎回多くの県民の方々が参加していただき好評を得ています。愛知県医師会各種委員会の活動の中で医療安全対策委員会では、問題がある事例について担当理事が対応し、医療事故に対する医療安全対策も個別に詳しく検討した後に会員に報告しています。

愛知県泌尿器科医会は、泌尿器科勤務医と開業医がお互いに協力しながら以上に述べてきたような活動を行ってきました。泌尿器科は癌をはじめ尿路結石、排尿機能障害などの一般的疾患から、腎移植、小児泌尿器、男性ED、不妊など幅広い疾患を対象としている上に、この数年はダビンチを用いた高度な手術手技が導入されたり、癌の治療薬に分子標的薬、新規免疫治療薬、前立腺癌に対する新規ホルモン治療薬さらには遺伝子情報をもとに使える薬剤なども登場していることもあり、先進医療を求める患者さんが大病院に集中し勤務医の負担が増えています。一方で、高齢化が進み男性の排尿障害、女性の尿失禁などの疾患も増加しており、地域の医療機関が大病院の負担軽減を図ることが求められています。そのためにはそれぞれの守備範囲を考慮したバランスのとれた医療連携が必要になると思われます。前成田会長は地域の泌尿器科医と勤務医がお互いに顔が見える会になるように方向を示していただきましたが、さらに連携が深化するように進めて参りたいと思います。

今回の役員改選では、新たに多くの若手の先生方に新役員に就任していただきましたが、コロナ禍のために互いに集まっての活動ができない状況ではあります。逆にzoom などのmediaを用いて手軽に効率よく意思疎通ができる仕組みがありますので、大病院への保険情報の伝達や、地域ごとに実際の病診連携などで活用できるものと思います。 榊原副会長、山内副会長ならびに各理事の先生方とともにできることから始めさせていただきますので、会員の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

令和3年1月